住まいのリノベーションと
オーダーメイド家具製作

株式会社Re-create

セカンドライフ提案 vol.10 | 自然素材に包まれる暮らし

こんにちは、コラム担当マツイです。(マツイさんの書いた記事一覧はこちら)

ファッションにしろ食にしろ、生活経験を重ねれば重ねるほど、人は「本物」を求めるようになります。住まいも同じで、若いころはプリント合板の家具でも気にならなかったのに、今は無垢材に惹かれるという人も多いのではないでしょうか。

 

その無垢材の家具も、ビニールクロスの壁ぎわに置くのと、漆喰の塗り壁が背景になるのとでは、やはり後者のほうが趣があるものです。せっかくなら、床・壁・天井で構成する、住まいの「ハコ」そのものから本物にこだわりたいですね。

 

リノベーションはまさに、住まいの「ハコ」から手を加えられる又とないチャンスです。自然素材を取り入れ、健やかでインテリア効果も高い住空間をめざしませんか。

 

 

 

住まいに自然素材を使うメリット・デメリット


 

「自然素材」という言葉に明確な定義はありませんが、文字通り自然由来の、人工的なものが含まれていない素材のことを指します。

 

代表的なものとしては、主に壁に使われる漆喰や珪藻土、また床を中心に使われる無垢の木材が挙げられます。さらに、紙や石も自然素材です。

 

まずは、こうした自然素材を使うメリットとデメリットを押さえておきましょう。

 

<メリット>

 

■化学物質が含まれていない

人工的な素材に含まれる化学物質は、空気中に揮発してアレルギーのような症状を引き起こすことがあります(シックハウス症候群)。自然素材にはその心配がありません。

 

■本物ならではの素材感が楽しめる

自然なざらつきや色ムラ、ざっくりとした質感は、視覚的にも触覚的にも心地よく、やすらぎが感じられます。自然界に存在する、生体のリズムと同じ「1/fゆらぎ」の効果です。

 

■自然由来の機能性がある

多孔質な木や土は「呼吸する素材」と言われ、湿度の高いときには水分を吸い、逆に湿度の低いときには水分を放出するという調湿機能があります。また、断熱性や保温性にも優れています。

 

■経年変化も味わいとなる

古民家の柱や梁が黒光りするように、自然素材は年を経るごとに趣が深まります。劣化というより、味わいが増すのです。

 

<デメリット>

 

■安価な素材に比べるとコストがかかる

大量生産できる人工素材と比べれば割高になります。施工も手間がかかるため、塗り壁などはDIYするのも手です。

 

■品質や表情が均一ではない

たとえば木目に一つとして同じものがないように、自然素材は表情にも性質にも多少のバラつきがあります。それが魅力、と考えられる人にはおすすめです。

 

■キズがつきやすい

人工的に加工された素材に比べて柔らかいため、キズがつきやすくなります。床ならマットなどを敷いて対策するか、それも味わいのうちと大らかに捉えましょう。汚れや水に対しても強くはないので、使う場所には注意が必要です。

 

 

漆喰の塗り壁と無垢床を取り入れた実例


ここからは、自然素材の中でもとりわけ人気のある「漆喰の壁」と「無垢フローリングの床」を取り入れた実例をもとに、それぞれのより詳しい特長をご紹介しましょう。本ブログでも何度かご紹介している 兵庫県西宮市T邸 です。

 

ご夫婦の念願だったフレンチテイストな空間づくりに大きく貢献しているのが、ローズウッドの無垢フローリングと、漆喰の塗り壁です。

 

無垢フローリングは、夏はさらっとした感触で、冬はヒヤッとせず、年間を通して快適。中でもローズウッドは、材によって色合いの差が大きいため、施工すると豊かな表情が生まれ、全体としては濃色なので落ち着き感も得られます。まさに、大人のフレンチテイストな空間にぴったりの樹種といえます。

 

壁の漆喰は優れた調湿効果があるほか、耐火性にも優れ、また一度塗ってしまえば非常に長持ち。さらに、照明の光がやわらかく廻ることもポイントです。

 

漆喰は下塗り、中塗り、仕上げ作業と手間がかかるのですが、奥さまはご自宅でアクリル絵画教室を開かれているだけあって、この漆喰塗りにも興味津々。ご夫婦で作業に参加され、より一層わが家に愛着がわいたと喜んでいただけました。

 

フレンチテイストを高めるドライフラワーや、こだわりのスイッチプレートも映える漆喰塗りの壁。これがビニールクロスだったら…と考えると、その味わい深さがよくお分かりいただけることでしょう。

 

 

自然素材に近くて手軽な「エコカラット」も人気


 

石のような質感を効果的に取り入れ、モダンなインテリアにしたい。そんな方から人気なのが、LIXIL(リクシル)の「エコカラット 」です。リクリエイトが手がけるリノベーションでもご要望が多く、数多くの実例でアクセントウォールなどに採用しています。

 

日本伝統の「土壁」をヒントにして生まれたエコカラットは、「多孔質セラミックス」を原料としてタイル状に焼き上げた商品です。人工素材ではあるものの、自然素材と同じような性能を持ち、また規格化されているため、品質が均一で扱いやすいことがメリットです。

 

約20年前に発売されたロングセラー商品ですが、現在はすべて「エコカラットプラス」として進化し、発売当初よりも調湿性能やニオイ・有害物質の吸着性能、防汚性能が向上しています。

さらに、豊かなデザイン性も魅力。さまざまな形状やレリーフのバリエーションがあり、インテリアに合わせたコーディネートが可能です。

それでは、エコカラットを取り入れた実例もいくつかご紹介しましょう。まずは玄関ホールでの施工例から。

 

砂岩のように自然な色ムラ感があり、大きさも異なるエコカラットを貼り合わせ、玄関ホールを表情豊かに仕上げています。

 

こちらはホワイトで統一し、厚みや模様の異なるエコカラットをランダムに貼ることでモダンな印象を生み出しています。

 

次はリビングまわりでの採用例です。機能性に優れ、色柄も豊富なエコカラットはリビングにも最適です。

 

テレビの背面に部分的にエコカラットを貼る使い方は、インテリアのアクセントとして取り入れやすく、とても人気があります。

 

左手のアクセントウォールと同じ柄のエコカラットを、右手の壁では絵画のように貼りました。エコカラットはデザイン性が高いため、アートを飾る感覚で楽しむのもおすすめです。

 

さらには、こんな使い方も!

キッチンの腰壁にエコカラットを貼りました。大理石調のワークトップと相まって、グレード感あふれるキッチンを演出しています。

 

他にもエコカラットは、寝室やトイレなど、あらゆる場所でお使いいただけます。デザインパターンもさまざまにご提案できますので、リノベーションの際は「エコカラットを使いたい」とお早めにお申し出ください。

 

木や土、石などの質感を取り入れた住まいには、やはりビニールや合板では演出できない、本物の味わいと高級感があります。これからの人生をゆったりと、そして健やかに過ごすためにも、自然素材を取り入れたリノベーションをご検討なさってはいかがでしょうか。

 

さて、豊かなセカンドライフに向け、リノベーションでできることをご提案してきたこのシリーズも、今回のvol.10でおしまいです。これまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

リノベーションを通じて、皆さまの豊かな暮らしのお手伝いをさせていただける日を、心より楽しみにしております。

 

[リノベーションの相談をする]

 

>> セカンドライフの他の記事を読む(一覧へ)