住まいのリノベーションと
オーダーメイド家具製作

株式会社Re-create

[家具職人便り] 『ステー』について -part2-

こんにちは、リクリエイトの家具職人です。

(リクリエイト家具職人さんの書いた記事一覧はこちら)

 

前回に引き続き『ステー』の話をさせていただきます。
「扉の急激な落下を和らげる自動ブレーキ装置が付いたもの(ダンパー付き)」タイプの紹介で、扉の開き方によって金物が違う事の説明をいたしました。

 

今回は、ダンパーの強さの選び方です。

前回も紹介させていただきました、『スガツネ工業』のカタログを見ます。
代表でCSD-10-TVを使用して説明させて頂きます。

カタログイメージ

モーメントが1~4N.m(1本あたり)と書いています。
これがダンパーの強さです。

 

カタログイメージ

そして、機種が3タイプ『L、M、H』型それぞれモーメントが違います。
これを左右2本使用にしたりで適度なモーメントになるように選びます。

 

ここで出てきました『N.m』とは、何でしょうか。
ウィキペディアではこの様に解説されていますが、
参照:Wikipedia(外部サイト)

定義【ある定点から1 m隔たった点にその定点に向かって直角方向に1 Nの力を加えたときのその定点のまわりの力のモーメント】

よくわからないのですが、なんとかなるのです。

 

スガツネのカタログに計算方法が出ているからです。
扉の重さ、大きさ、重心までの距離から算出します。

この様な計算式です。

スガツネ工業カタログイメージ

 

モーメントを求める計算にまず必要なのは、扉の重さです。
扉の重さを出すには、次の表を使います。

カタログイメージ

カタログイメージ

カタログイメージ

 

比重から算出してもいいのですが、この早見表で調べると楽なのです。

リクリエイトにて使用している扉は、ポストフォーム扉が多いのです。

よって芯材は、MDFもしくはパーチクルボードです。
後は、扉の大きさで近いのを探します。ない場合もありますが、2倍サイズの重量を1/2にしたりして、だいたい出します。

アルミフレーム扉の場合は、『アルミフレームが1mで0.6㎏』+『ガラスの重量』で計算します。

 

次に『回転軸中心から重心位置までの水平距離』です。

カタログイメージ

これは簡単で、扉の高さ寸法1/2です。

 

こうして、必要なモーメントを算出します。

 

この様に計算して金物を発注しますが、実際に取り付けるとイメージした動きと若干ずれる場合もありますが、ひどく違ってしまう事はあまりありません。
ルーバー扉など扉重量の算出が難しい物もあります。その時はなんとなく出しています。(ポストフォーム扉の場合の半分とか1/3とか)。

どちらにせよ、実際にやってみないとわからない事もあります。

皆様慎重に選んでください。

 

次回はキャビネット寸法確認方法の説明をさせていただきます。