[家具職人便り] 『ステー』について -part4-
こんにちは、リクリエイトの家具職人です。(リクリエイト家具職人さんの書いた記事一覧はこちら)
前回に引き続き『ステー』の話をさせていただきます。
「扉の急激な落下を和らげる自動ブレーキ装置が付いたもの(ダンパー付き)」タイプの紹介で、『扉の開き方によって金物が違う事の説明』『ダンパーの強さの選び方』『金物のサイズ』と説明をさせていただきました。
今回は合うものが無い場合です。
先ず。扉があまりにも重くてソフトクローズが対応できない場合ですが、これはほとんどありません。
各開き方、重量用が用意されていますし、それでも対応できない場合は『ガススプリング』を使用します。
私は過去、オムツを換える台(駅等の大きなトイレに設置されている折り畳みの物です)を木製で製作した際に使用しましたが(扉では無いです)、一般の家庭向きの家具で使用する事はほとんどありません。
もし、これを使用しないとならない様な扉でしたら、まず設計の見直しをお願いします。
どうしても必要でしたら、対応しますが。ちょっとたいへんです。
次に扉が軽すぎる場合です。
軽い扉用の物も色々と用意されていますが、扉が小さいときに対応できない場合もあります。
この扉ですが高さ168㎜、幅474㎜と小さいのです。
更に、キャビネットの内寸(高さ)が128㎜ほどで入るものも限られます。
入るもので、一番軽い扉に対応している物がこちらのWindです。
参照:スガツネ工業(外部サイト)
1N.mから対応していますが、残念ながらそれでも重さが足りません。
おおよそ0.7N.mですとちょうどよさそうなのですが、0.4Kgほど不足の様です。
とりあえず取り付けてみますと、やはり重さが足りないようで、ちょっと開こうとしますと『ガコーン、ビヨヨーン』です。
勢いよく跳ね上がります。リフトアシストが強すぎるのです。
どうしたらいいのでしょうか。
扉を重くします。
重りは鉛のテープを使用します。
先ず重りをどれくらいつけたら良いか仮止めして試します。
養生テープで鉛テープを何枚か重ねて試してみます。
次に扉の裏を彫り込んで
接着剤で鉛テープを貼り付けます。
ビスで補強して、メラミン化粧板を貼り付けて完成です。
良い感じの動きになりました。
この様にして対処しますが、ちょっと大変です。
いかがでしょうか。